ショッキングな言葉ですが、これは私が関東での勤務医
時代に飼い主様から実際にお聞きした言葉です。
重度の皮膚病で、脱毛でハゲハゲの、「汚い」ワンちゃんで、
皮膚病の治療がされていない、またはされていてもうまく
いってない、あるいは飼い主さんが「こういうものだから」
と思ってしまっているケースがあります。
また、いろんな検査をしたり、いろんなフードを試して
みたり、週に何回もシャンプーをするように指示されたり、
そういったことが皮膚病ではよくあります。。
いろんな治療をして頑張ってみたけど・・・一向によくなら
ない、そういったワンちゃんもいます。
また、これはかなり特殊な例ですが、「皮膚病がサッパリ治ら
ないので安楽死をすすめられた」というケースも存在します。
(例えば、皮膚病が実は癌の症状のひとつだった、というよう
な場合は別だとは思います)
犬や猫などの動物は、基本的に全身が毛で被われています。
外見上も、ひとつの臓器としても、皮膚は動物にとって非常
に重要な器官であり、また、動物にとって皮膚病とは非常に
ストレスになるものです。
うちの子は皮膚をいつも痒がっている、掻いて毛が抜けてい
る、または痒くもないのに毛が抜けている、ベタベタしてく
さい、シャンプーしてもすぐにべたべたしてにおう、足を舐
めてたこができる、耳がいつも痒くてくさい、皮膚がふけが
多くてボロボロしている、赤い湿疹がたくさんできている、
妙におなかの色が黒ずんできた、梅雨の時期から毎年急に皮
膚かおかしくなるなど、ひとくちに皮膚病といっても症状も
多種多様、原因も多種多様です。
皮膚病の原因には、皮膚の寄生虫、カビ、細菌などの感染、
アレルギー、免疫機能低下、自己への免疫疾患などの免疫異
常、甲状腺、副腎、成長ホルモンなどのホルモン異常、内臓
の異常、食べ物によるもの、動物の種類による体質、動物の
性格によるもの、環境の影響、場合によっては皮膚の腫瘍な
ど、非常にさまざまなものが存在します。
また、てっきり「皮膚病とばかり思っていた」ものが皮膚病じ
ゃなかった、といったこともあります。
皮膚病が起こってしまう原因はひとつだけでなく、複数の要
因が絡んで発病してしまっている場合もよくあり、また、皮
膚病はペットと飼い主様にとって何ヶ月、何年と「お付き
合い」をしないとならないケースも多く、治療経過中、何年
と時間が経つうちに原因が変化している場合も珍しくはありません。
必要最少限の検査を行い原因をうまくつかみ、常に良い皮
膚の状況を保っていくような姿勢と治療が皮膚病には求め
られます。
人間のスキンケアを考えていただくとわかりやすいのですが、
同じ診断名でも、動物によって皮膚の状態は本当に千差万別
で、同じ皮膚病というものはまず存在しません。
よって当院では、皮膚病の治療に対し、個体によってすべて
処方する薬の種類や量が違います。その子その子の皮膚の
状態、質感、体重、体格、性別、年齢、内臓の状態などを
考慮し、最適な処方を行います。
皮膚病は、動物だけでなく飼い主様にとっても非常にストレ
スになることが多い病気であり、治療を途中で断念してしま
うケースも多々あります。
きたむら動物病院は、 皮膚病に対し、「ペットと飼い主様が
ストレスから開放されるように努める」診療姿勢で取り組みます。
皮膚病でお悩みの飼い主様、諦める前に、一度ご相談下さい。
動物皮膚病専門、50年以上の経験、著書多数
研修させていただいた米倉督雄先生と一緒に
皮膚科 動物病院
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